ストレス・不満を感じる夫との関係改善へ【夫婦カウンセリングケーススタディ1】

【夫といるとつまらない。イライラするし、最近は顔を見るのもイヤです。】
(東京都 Aさん[40歳])

こんにちは、夫婦カウンセラーの緒方リサコです。

パートナーに対してストレスを感じ、イライラしてしまう…なんて経験、ご夫婦なら誰もが一度はあるのではないでしょうか。

今回は、そんなイライラに関するご相談です。

Aさんは4年前、職場の部下であった今のご主人から突然のプロポーズを受けて、子連れ再婚をされました。その当時、1才のお子さんがいました。

ご主人について伺うと、

「私を大切にし、子どものことも可愛がってくれます。誠実で浮気もなく、金銭面の不満もありません。口下手ですが、謙虚で真面目な人です。」

と話す一方で、

「今も夫は部下の様な感じ。私に敬語で話すことも多々あります。常に私の顔色を伺い、機嫌が悪そうだと気を遣って何も話しかけてきません。ケンカをしても言い返しません。」

と、どうやらAさんはご主人の態度に不満があるようです。

Aさん
「誠実で完璧な夫です。こんな夫に不満を持つのは、私のワガママでしかありません。でも、私は夫がいるだけで疲れてしまい、世間話も出来ません。本当につまらない。最近は顔を見るのも嫌になってしまって…

カウンセラー緒方
「なぜそこまで不満に思うのかしら?具体的にはどんな所にイライラしてしまうの?」

Aさん
「口下手な夫は私が何かを相談すると、完璧な答えを探すために黙り込み、数日後に手紙になってかえってきます。『相談してね』とは言ってくれますが、答えは後日になるので、その頃には私の悩みが変わっていることもあります。なぜその場で気持ちを言えないのか?とイライラしてしまい、悩みさえ話したくなくなります。」

Aさん自身も意識されているように、夫婦間のコミュニケーションに問題がありそうです。

また、ご主人に対する不満の他にも、何かが原因となって日常的にイライラしてしまっているのでは…?

そこで、Aさんにイライラしてしまう事柄を挙げてもらい、その根本的な原因を突き詰めることにしました。

すると、幼少期に抱いたトラウマに触れた時やお子さんの言動・ご主人の態度に愛情を感じられない時にイライラしてしまっていることがわかりました。

(実際にAさんがこれらの原因を自覚されるまでには、数回のカウンセリングを重ねることになりますが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います)

恐らくAさんの場合は、「愛されたい」という思いが強く、愛されていないと感じてしまうことが起因となってイライラしてしまっているようです。

この時点では離婚も考えていたAさんでしたが、問題を解決したいという思いも感じられたので、まだ修復の余地はあるようでした。

そこで数回のカウンセリングを繰り返すことで、Aさん自身の頭と心のバランスを整えて、ご主人と良いパートナーシップの築き方イライラの対処法を導き出していくことにしました。

まずはコミュニケーション改善への第一歩として、ご主人との≪パートナーシップを築くきっかけ≫がありそうか探ってみてもらいました。

~「パートナーシップ」とは何か~

パートナーシップとは、矢印が≪お互いに向く≫→←ではなく、≪同じ方向を向く≫↑↑ようになること。お二人の気持ちが≪同じ方向を向く≫ことが大切なのです。

『相手に問題がある』という考えこそが問題で、『自分の考えの中にも原因がある』と思えないうちは問題の解決は難しいでしょう。

自分が変わることでしか環境を変えることはできません。

《今起きていることは過去の自分の考え方や物の見方の結果である》ことを認識し、原因を外において環境が変わることを待っているのではなく、自ら行動し、周りに働きかけることが必要です。

Aさんの場合は、カウンセリングに訪れた時点で問題点を意識されていたかもしれません。

―カウンセリングから数日後、Aさんから頂いたメールにはこうありました。

いつもお世話になっております。先日はアドバイスをいただき、ありがとうございました。

夫婦の形について、夫と話をしたところ、【お互いの気持ちや考えを話し合えるパートナーでいたい】とどちらも望んでいることがわかりました。

今の私たちの夫婦関係は、『私に合わせられている(依存されている)ようで疲れる』と伝えると、夫自身もそのように認識していたようです。

何が原因だと思うのか聞いてみたところ、

1つ目は、結婚前の上司と部下という関係性が未だとれず、自分に自信がないこと。

2つ目は、上京後周囲の人とのコミュニケーションが上手くいかない事が多々あり、その結果、自分の気持ちや考えを伝えなくなっていたのだそうです。

夫は『今後、コミュニケーションの取り方を変えていきたい。どのように変えればいいか考える』と言ってくれました。

カウンセリングを始めたことで、以前は『顔を見るのもイヤ』とまで言っていたAさんもご主人とのコミュニケーションに前向きに取り組めるようになられました。

そして話し合えたことで、お互いに望んでいる夫婦の在り方が明確に

これからは《同じ方向を向き》ながら、お二人なりの夫婦の形を築いていかれることでしょう。

お互いの意見を話し合う事は、コミュニケーションの第一歩。

良いパートナーシップを築いていくのはまだこれからですが、お二人は大切な一歩を踏み出されました。

夫婦カウンセリングのご案内

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ABOUT US
夫婦カウンセラー緒方リサコ
47歳のときに22年間の結婚生活にピリオドを打ち、子連れ離婚する。熟年・調停離婚になったことから息子の心理状態に影響し、親子関係が悪化。これを機に、アドラー心理学(親子関係・家族関係)、発達心理学(主に児童・青年心理学)を学び実践をスタート、息子との関係を改善させる。その後、カウンセリングを始め、さらにパートナーシップについての独学を続ける。 離婚から5年後の52歳で、新しいパートナーとステップファミリーとなることでの日々の充実や成長を経験し、パートナーシップの大切さを自分自身でも強く実感する。長く幸せなパートナーシップを築くためのサポートができたらとピリアロハカウンセリングを設立。現在は東京代々木のカウンセリングルームを中心に活動。