子連れ離婚後、元夫への怒りを断ち切るには《動画付き》【夫婦カウンセリングケーススタディ13】

こんにちは、夫婦カウンセラーの緒方リサコです。

今回、夫婦カウンセリングのモニターにご協力いただいたMさん(49歳女性)は、ご主人の浮気が原因で子連れ離婚をされました。『(結婚生活では我慢が多かったため)これからは、自分のために生きていこう』と決意されたのです。

しかしながら『離婚後も元夫への怒りがこみ上げてイライラしてしまう…この気持ちをキッパリ断ち切るためにはどうしたら良いか?』ということで、再度カウンセリングに見えました。カウンセリング前はどんより曇った表情でしたが、終了時にはすっかり本来の明るいMさんに。

パートナーの裏切り行為(浮気、暴力など)により今も怒りや悲しみを抱き続けてしまっている場合は、ぜひ次のカウンセリング内容をご覧ください。同じような境遇にあったMさんが笑顔を取り戻した、その理由がお分かりいただけると思います。

ご相談者さまのプロフィール

夫の浮気が原因で子連れ離婚をする。※お子様の年齢は15歳以上
離婚は成立したものの、いまだに元夫への怒りがこみ上げイライラしてしまう。この気持ちをきっぱり断ち切るには、どうしたら良いのか?悩んでいる。

実際のカウンセリング内容:子連れ離婚を決意したものの、いまだに元夫への怒りが消えません…

カウンセラー緒方
「…たしかにご主人の裏切り行為(浮気)があったことには間違いないよね。でも自分から裁判を起こしてまで『この人と一緒に歩んでいくのはやめよう』と決意されたわけじゃない、そこまで自分を突き動かしたのは何だったの?」

Mさん
「これからは自分のために生きていこうと思ったんです。今までは、子供のため、主人のために生きてきたんですけど…自分のことを1番に考えようかなと」

カウンセラー
「なるほど。(離婚に対して)不安や恐怖もいっぱいあったと思うけど、それでも勇気をもって歩んでいらっしゃるMさんは本当に素晴らしい。でも、今回カウンセリングに見えたということは、まだ(元夫に対して)怒りや恨みが残っているってこと?」

Mさん
「そうなんです。これからは自分のために頑張ろう!と思って日々やっているんですけど、ふとした瞬間に思い出されて…。あの時、もっと詰め寄っておけば良かった、もっと言い返しておけば良かったとか。バカみたいに良い人で終わってしまったな…という思いが出てきてイライラしてしまうんです。でも、そういう自分もイヤで」

カウンセラー
「うんうん、そうだよね」

Mさん
「どうしたらこの気持ちをキッパリ断ち切れるのか…」

カウンセラー
「お子さんもいらっしゃるし、結婚生活も長かったわけだから、思い出さないわけはない。でも、『今、自分で決めた人生を歩んでいるんだ』と思えたら良いってことだよね。

なんでもそうだけど、今あることが単に嫌だからやめるっていうことだと、子供と同じレベルじゃない?でも、Mさんは『自分の人生を歩んでいこう』と思って決断されたんだよね。その思いを、もっともっと明確にすることが大切。

例えば、エベレストに登る人たちって、私たちが想像できないようなハードなトレーニングをされているじゃない?側から見ると『そこまでして』と思うかもしれないけど、本人は『絶対行くんだ!何が何でも行くんだ!』と決めているわよね。それは『行けたらいいな〜』なんてもんじゃない。だからこそ、そこに行くために必要なキツイ練習も頑張れるんだと思うのよ。

そこを例に考えていくと、Mさんは何をつかもうとしているのか?自分が行こうとしているゴールをより明確にすると、今すべきことが見えてくるし、心がフラフラした時もそれを思い出せば『あ、私はあそこに行こうとしているんだった』ってなりやすくなると思うのね」

Mさん
「たしかに、そうですね」

カウンセラー
「(省略)…イメージする時によく用いられることだけど、棺に入った時に家族に何て言われたいか?どういう1人の女性として、人として、母として、この世を終わっていきたいか?Mさんは、どんな自分でいたいか想像できる?」

Mさん
「イメージとしては、子供と孫に囲まれて幸せに死にたいですね」

カウンセラー
「まだまだ、うんと先の話だけど、そうなった時にMさんはお子さんやお孫さんたちにどんな言葉を投げかけたい?」

Mさん
「自分の幸せを考えて、幸せになってね、ということですね。(省略)最期は、穏やかに笑って『はぁ、いい人生だったなぁ』というイメージをもっています」

カウンセラー
「うんうん。だとしたらそのイメージをしっかり持って、できれば視覚からも入れられるようにカタチにしておくと良いよね。辛いことがあった時には見返して『あ、私はこうなるために今やっているんだ』と思うことができたら、どんな感じがする?」

Mさん
「そうですね、それがあると明確に頑張れる気がします。(今まで)ぼんやりと思っているだけで明確にしていなかったから、不安だったんですね」

カウンセラー
「あまりにも色々なことがあったから、目の前のことを処理するだけでいっぱいいっぱいになっちゃっていたと思うのよ。でも目の前しか見えていないと、どっちに進んでいるか分からなくなるでしょう?

例えるなら『木を見て、森を見ず』。

(省略)行きたい方向を明確にしておくこと、そしてバードアイ(鳥の目)をもつことが大切」

Mさん
「たしかに、目の前のことでいっぱいいっぱいでした」

カウンセラー
「しょうがないくらい色んなことが起きたものね」

まとめ:子連れ離婚を後悔しない、そのためには◯◯なゴールをもつこと

「離婚をする」というのは、誰にとっても大きな決断だと思います。だからこそ、自分が選んだ道に後悔はしたくないですよね。

とはいえ日々生活をしていれば、いろんな感情が湧き上がってくるものです。Mさんのように(元夫に対して)怒りがこみ上げてきたり、悲しくなったり、不安になったり…。そんな離婚後の気持ちの支えとなるのが、今回お話した『明確なゴール(目標)』です。具体的に「こうなりたい」というゴールを持っていれば、おのずと今すべきことが見えてくるし、心がフラフラした時も「私は今ここに向かっているんだ、大丈夫」と前を向けるようになります。

カウンセリング動画でお話したエベレストに登る方々のように、あなただけの明確なゴールを見つけて一歩一歩進んでいきましょう。

次回は『子連れ離婚後、悪化しがちな親子関係』についてです。親子関係の改善に役立つ方法をご紹介しているので、良かったらご覧ください。

子連れ離婚後の親子関係改善への第一歩《動画付き》関係修復・離婚相談の夫婦カウンセリングケーススタディ②

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ABOUT US
夫婦カウンセラー緒方リサコ
47歳のときに22年間の結婚生活にピリオドを打ち、子連れ離婚する。熟年・調停離婚になったことから息子の心理状態に影響し、親子関係が悪化。これを機に、アドラー心理学(親子関係・家族関係)、発達心理学(主に児童・青年心理学)を学び実践をスタート、息子との関係を改善させる。その後、カウンセリングを始め、さらにパートナーシップについての独学を続ける。 離婚から5年後の52歳で、新しいパートナーとステップファミリーとなることでの日々の充実や成長を経験し、パートナーシップの大切さを自分自身でも強く実感する。長く幸せなパートナーシップを築くためのサポートができたらとピリアロハカウンセリングを設立。現在は東京代々木のカウンセリングルームを中心に活動。