もう夫の顔を見るのもイヤ!離婚をして幸せになる人とそうでない人の「違い」って?【夫婦カウンセリングケーススタディ10】

離婚をして幸せになる人とそうでない人の違い

こんにちは、夫婦カウンセラーの緒方リサコです。

最近夫や妻に不満があり、お互いに関係が良くないと感じられていませんか?

夫婦関係がギクシャクしていると、

・夫や妻の顔を見たくない
・もう話し合いすらしたくない
・精神的ストレスから解放されたい

と思ってしまうのではないでしょうか。

しかし、このような状態から抜け出したいという理由で離婚を選択すると、本当の幸せを感じることは難しいかもしれません…。

それは一体どうしてだと思われますか?

今回カウンセリング事例をご紹介するSさんは、まさに「夫の顔を見たくない」という理由から別居、将来的には離婚を考えていらっしゃいました。

しかし、夫婦カウンセリングを通して「あること」に気付かれ、もう一度自分が本当にどうしたいのか考えることにされました。

Sさんが気付かれた「あること」は、離婚後に幸せになる人とそうでない人の違いに深く関わっています。

実際のカウンセリング内容をお読みいただき、あなたにもその違いを知っていただけたら幸いです。

ご相談者さまのプロフィール

夫は子育てに一切協力をせず、何か問題が起きると「すべてお前のせいだ」と罵る。
度重なる暴言に嫌気がさし、子育てがひと段落したら別居をしたいと考えている。
離婚になる可能性もあるので、今から準備を進めておきたい。

実際のカウンセリング内容:離婚がデメリットになるパターンとは…?

カウンセラー緒方
「別居を考えているということだけれど、いつ頃にしようとかあるのかしら?」

Sさん
「はい、下の子が来年受験なのでそれが終わったら、と思ってます。
その後、離婚になる可能性もあるので、今から準備をしておきたくて今日伺いしました」

カウンセラー緒方
「そうなのね。具体的にはどんなことを準備しておきたい?」

Sさん
「離婚によるメリットとデメリット、あと子どもに与える影響について教えていただきたいです」

カウンセラー緒方
「なるほど、では早速、離婚によるメリットとデメリットに関して。
離婚を目的にされている方は、デメリットになるかなと…」

Sさん
「離婚したくして、離婚を達成できたのに、それがデメリットになるんですか?どうして??」

カウンセラー緒方
「どうしてだと思う?」

Sさん
「あ、わかった!燃え尽き症候群になるとか?」

カウンセラー緒方
「まさに!」

Sさん
「精神的に疲れて鬱っぽくなっちゃうんですよね」

カウンセラー緒方
「それもあるかもしれないけれど、一般的に多いのは離婚後のビジョンがまったくないことからの燃え尽き症候群なのよね」

Sさん
「あーなるほど」

カウンセラー緒方
「離婚することが目的ではなく、自分がこういう生き方をしていきたいから離婚という選択をとる、という場合ならどうなりそう?」

Sさん
「離婚後もやりたいことがはっきりしているから、離婚までの精神的な苦しみから解放されそう」

カウンセラー緒方
「そうよね。だとしたら、離婚がどういったものになるかしら?」

Sさん
「メリットだらけですね」

カウンセラー緒方
「そうなのよ!離婚に至ってしまう方々の共通点として、そもそも人と合わせようとする方が多いかなと。
でも実はそういう付き合い方だと、良好で永続的な関係にはなりにくいのよね。
あくまでも表面的なことで終わってしまって、お互い深いところで信じ合い繋がることにはならないから」

Sさん
「気を遣っていても、ですか?」

カウンセラー緒方
「心からその人のことを思って、自分ができることとしての気遣いは素晴らしい。
でも先ほどお伝えしたように、人と合わせるための気遣いだと、ごまかし・保身・偽善になってしまう可能性が高いわよね」

Sさん
「確かにそうですよね」

カウンセラー緒方
「子供への影響も同じ。
離婚には大きなエネルギーが必要なのはみんな同じだけれど、その後一緒に住んでいる親がどんな振る舞い・考えをしているかによって、子供にとって離婚の意味付けは全然違うかなと思うのよ。
離婚は子供にとって辛く悲しいもの。でも一緒に生活していく親のあり方次第で、子供の捉え方も大きく変わってくる」

Sさん
「お話を聞きながら、私は主人が家を出て行ってくれさえすれば、穏やかな幸せが訪れると思っていたのですが、なんか違うのかなって…。
別居や離婚後のことをあまり考えていなくて、何しろ主人の顔を見ないために別居したかっただけで。
だとしたら、別居しても違うことに不平不満を言ってしまうかもしれない…」

まとめ:離婚は人生の通過点に過ぎない

「今がイヤだから離婚する」という考え方だと、離婚すること自体が目的になってしまいます。
そうすると、その後のビジョンがまったくないため、離婚したとしても幸せを感じにくいでしょう。
ストレスからは解放されても、ふと「なんで離婚したんだっけ…?」「こんなはずじゃなかった…」という気持ちになってしまうかもしれません。

しかし「もっとこういう人生を歩みたいから離婚する」という考え方なら、離婚はあくまでも通過点に過ぎません。
離婚が成立するまでは精神的ストレスもあると思いますが、その後は解放されると同時に、新しい人生に向かってワクワクした気持ちで歩き始めることができるのではないでしょうか。

今回のSさんも、最初は夫の顔を見たくないという理由で別居や離婚を考えていらっしゃいましたが、カウンセリング後「とにかく別居すれば幸せになれると思っていた…でも、それは違うみたい。もっと自分の人生について考えてから、決断したい」と仰いました。
離婚は、現状から解放されるための選択ではなく、自分の人生をより自分らしく生きるための選択であることに気付かれたのかもしれません。

夫婦カウンセリングのご案内

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ABOUT US
夫婦カウンセラー緒方リサコ
47歳のときに22年間の結婚生活にピリオドを打ち、子連れ離婚する。熟年・調停離婚になったことから息子の心理状態に影響し、親子関係が悪化。これを機に、アドラー心理学(親子関係・家族関係)、発達心理学(主に児童・青年心理学)を学び実践をスタート、息子との関係を改善させる。その後、カウンセリングを始め、さらにパートナーシップについての独学を続ける。 離婚から5年後の52歳で、新しいパートナーとステップファミリーとなることでの日々の充実や成長を経験し、パートナーシップの大切さを自分自身でも強く実感する。長く幸せなパートナーシップを築くためのサポートができたらとピリアロハカウンセリングを設立。現在は東京代々木のカウンセリングルームを中心に活動。