産後クライシスのご相談前編 :原因とチェックリスト【夫婦カウンセリングケーススタディ4】

【出産後、夫の言動にイライラしてしまい、喧嘩が増えました。夫は子煩悩になり、私のことは女として見てくれていないのか構ってくれません。こんなにイライラして疲れてしまうのなら、離婚した方がいいのでしょうか?】

あなたもお子さんを出産後、ご夫婦の関係に変化を感じていませんか?出産前と変わらず、ご主人への愛情はありますか?
また、ご主人から愛されている実感はありますか?

一般的に、結婚・妊娠・出産は人生において、<幸せの象徴>とされています。

パートナーと出会い、結婚。
幸せな日々の中で妊娠・出産。
想像するのは、小さな一員が加わった幸せな家庭。

しかし実際、出産後の生活はどうでしょうか?

子どもの誕生と同時に、子育てに追われる日々がはじまり。

慣れない育児に不安やイライラを抱え、溜め込んだストレスは一番身近な人へ向けられます。

『二人の時はこんなに喧嘩しなかったのに…』『今はもう夫婦の愛情なんてないのかも…』など、望んでもいないのに離婚を考えてしまうことはありませんか。

それは、出産を機に起こるとされる夫婦愛の変化、【産後クライシス】かもしれません。

あまり馴染みのない言葉かと思いますが、今回はこの産後クライシスについてのお話です。

産後クライシスとは?

直訳すると産後の危機という意味になります。NHKの情報番組スタッフが《産後に夫婦愛が冷める》という調査データをきっかけに、産後の夫婦関係を番組で取り扱う際に作った造語です。

《出産から子どもが2歳ぐらいまでの間に 夫婦の愛情が急速に冷え込む現象》と、定義されています。

そのNHKの情報番組スタッフの著書、―産後クライシス―によると、産後クライシスという言葉が誕生するきっかけとなった、ある研究機関の愛情に関する調査データが次のように書かれています。

妊娠した段階では男女とも7割が相手に愛情を抱いているが
子どもが誕生すると愛情を感じる割合は急速に下がり、
子どもが2歳になると男性の愛情は5割に、
女性では3割にまで減ってしまう。
―産後クライシス(ポプラ出版)より抜粋―

出産は、夫婦にとって大きな変化です。

出産前はお互いに1対1で向き合ってきた愛情もこれからは子どもにも向けるようになるのですから、産後クライシスといわれる夫婦の愛情の変化は自然と起こるものではないでしょうか。

特に母親の場合は、女性ホルモンが大きく乱れるため、感情の起伏が激しくなることもあるでしょう。

『今は夫より、子どもが一番大事』と言うママさんたちの声もよく耳にします。

【産後クライシス】において問題となるのは愛情が減少してしまうことではなく、これをこじらせて夫婦関係を悪化させてしまうことだと言えます。

この本には、産後クライシスにより一時的に減少した愛情が数年後には回復したケースや、危機を乗り越えた後に愛情をより一層深めた幸せな家族もいると書かれていました。

つまり、裏を返せば『これは産後クライシスだ』と気付き、愛情の変化をきちんと受け止め、悪化を防ぐことで、夫婦愛・家族愛が深まる可能性があるのです。

しかし、そういった自分たちの状況に気付けないまま夫婦関係をこじらせ苦しんでいるご夫婦も多いようです

その結果、出産後しばらくして離婚してしまう【産後クライシス離婚】というケースも少なくありません。

産後クライシスを乗り越えるためには、自分たちのおかれている状況をきちんと受け止めて上手に対処していくことが大切です。

そこで、簡易セルフチェックリストを作ってみました。

産後クライシスチェックリスト

このチェックリストで当てはまるもの、もしくは、あなたの状況に近いものはありますか?

『ひょっとして我が家も産後クライシス?!』 セルフチェックリスト

□夫の父親としての意識の薄さに腹が立つ

□もっと自分から主体的に家事、育児を手伝って欲しい

□最近、夫婦二人で過ごしたり話したりする時間をもっていない、もしくは減った

□夫のなすこと全てにいらつく

□出産後セックスレスになっている

□出産前後で夫が浮気をしたり、風俗に通うようになった

※このチェックリストが全てではありませんが、ひとつの指標として参考にしてください。

あなたはどれくらい当てはまりましたか?

これにいくつか当てはまるあなたは、産後クライシスが夫婦の危機になる危険レベルが高いということになります。

しかし、もしチェックの結果に不安を抱かれたとしても、今このコラムをお読みになり認識できたことが、まずは大きな一歩だと前向きに受け止めてくださいね。

それでは、次回は実例と一緒に<産後クライシスの対処法>についてより詳しくお話ししていくことにしましょう。

産後クライシスの対処法はこちらから

ABOUT US

47歳のときに22年間の結婚生活にピリオドを打ち、子連れ離婚する。熟年・調停離婚になったことから息子の心理状態に影響し、親子関係が悪化。これを機に、アドラー心理学(親子関係・家族関係)、発達心理学(主に児童・青年心理学)を学び実践をスタート、息子との関係を改善させる。その後、カウンセリングを始め、さらにパートナーシップについての独学を続ける。 離婚から5年後の52歳で、新しいパートナーとステップファミリーとなることでの日々の充実や成長を経験し、パートナーシップの大切さを自分自身でも強く実感する。長く幸せなパートナーシップを築くためのサポートができたらとピリアロハカウンセリングを設立。現在は東京代々木のカウンセリングルームを中心に活動。
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