妻から離婚したいと言われた!夫婦でもう一度話し合うときの大切なポイント【夫婦カウンセリングケーススタディ9】

口げんかする夫婦

こんにちは、夫婦カウンセラーの緒方リサコです。

突然ですが、あなたは日頃よりなんでも話し合える夫婦関係を築いていらっしゃいますか?

「話し合いが上手くいかない…」「すぐにお互いケンカ腰になってしまう…」というご夫婦は多いのではないでしょうか。

その原因は、

・話の聞き方
・話し合う場所
・気持ちの伝え方

など、様々なことが考えられます。

しかし、実はこれら以外にも大切なポイントがあります。

なんでも話し合える夫婦になる上で欠かせないものなのですが、どのようなことか想像できるでしょうか?

今回ご紹介するSさんのカウンセリング事例をご覧いただけると、まさにその大切なポイントがお分かりいただけるのではないかと思います。

Sさんは奥様から離婚したいと言われているものの、もう一度話し合って夫婦関係を修復したいと考えられています。

もしあなたも同じようなお悩みをお持ちでしたら、この後の実際のカウンセリング内容をご覧いただき気づきを得ていただけたら嬉しいです。

ご相談者さまのプロフィール

妻から離婚したいと言われているが、自分は別れたくないため話し合いが平行線のまま進まない。
きちんと話し合えるようになって、もう一度夫婦関係を修復したいと考えている。

実際のカウンセリング内容:なんでも話し合える夫婦関係を築くには?

カウンセラー緒方
「奥様とは何がきっかけで話し合えなくなってしまったの?
きっと元々は何でも話し合えるからこそ結婚されたのかなと思うのだけれど…
それとも、そもそも話し合いができない関係だったのかしら?」

Sさん
「結婚する前からしょっちゅうケンカはしていて、そういう時自分はワッと怒り出してしまい…
結果少しでも早く終わらせるために自分が喋らなければいいと思って1〜2ヶ月話さないこともありました。
付き合ってる時と結婚生活合わせて3年くらいですが、実質話したのは1年分もないかも…」

カウンセラー緒方
「そうなのね。それで今はどういう状況なの?」

Sさん
「妻は“モラハラな人とは一緒にいられない”という理由で、離婚を考えているようです」

カウンセラー緒方
「モラハラ?」

Sさん
「はい、妻にモラハラと言われて調べてみたら、たしかに当てはまる点が多くて…」

カウンセラー緒方
「なるほど、じゃあ奥様はSさんのモラハラが原因で離婚を希望されていらっしゃるのね?」

Sさん
「そうです、あとモラハラの中に含まれるのかなと思うのですが、妻が子供が欲しいと言っていたのに自分があまり積極的に行動しなかったことも原因のひとつかもしれません。
それも妻のせいにしていたし…」

カウンセラー緒方
「どんなせいにしたの?」

Sさん
「色気を感じない、などです。
本当はただ経済的に厳しくて、子供を持つならもう少しゆとりが出てきてからのほうが良いと思っていたんですが。
正直に話せず妻を否定するようなことばかり言っていました」

カウンセラー緒方
「そうか…そうなのね。
もしかしたらSさんのコミュニケーションのパターンとして、胸の内を話さないということが奥様以外の方との間でも起きていない?」

Sさん
「あるかもしれないですね。まぁ仕事では割と上手くやってると思うのですが」

カウンセラー緒方
「だからこそ、このやり方が機能していないとは気づきにくかったのね」

Sさん
「そうだと思います。
自分のことを他人に話すのは得意ではないし、プライドが邪魔して話さないかもしれないです」

カウンセラー緒方
「なるほどね。今の言葉から私が感じたこと伝えてもいいかしら?」

Sさん
「はい」

カウンセラー緒方
「今“得意ではない”と表現されたでしょう?
もしかしたら、準備万端に整っていることは話す、でもそうでないことは話さない、なぜなら自分の言ったことを指摘されるのはイヤだから。
何かする時に、純粋に“そうしたいからする”のではなくて、“得意か?不得意か?”を基準にしてるのかなと感じたのだけど、どう?」

Sさん
「確かに、そういったことは多いと思います」

カウンセラー緒方
「だとしたら、人と会話することにとっても疲れちゃうかもね。
誰しも完全・完璧ではないわけで、だからこそ成長し合っていくことが楽しかったりするのよね。
でも今のSさんは人と話す時に“遠慮”とか“敬遠”が起きていそうかなって感じがする。
夫婦って似た者同士ってよく言うのだけれど、お二人とも自分の気持ちを正直に話せていないかな?」

Sさん
「妻はどうか分かりませんが、少なくとも自分はまさにそうだと思います」

カウンセラー緒方
「Sさんはどういったわけで、人とコミュニケーションをとる時に胸の内を話さなかったり遠慮してしまうのかしら?」

Sさん
「人からバカにされたくないし、ちゃんと話せた時には褒めてもらえることが多いから」

カウンセラー緒方
「じゃあ、そういう褒め言葉がもらえない時は、“なんで認めてくれないんだろう?どうしたら褒めてもらえるんだろう?”って考えて、会話の目的が自分を承認してもらうことになっているのかしら」

Sさん
「ホント、そうですよね」

カウンセラー緒方
「だとしたら、奥様との会話のそもそもの目的は何になると思う?
自分の思うような結果にならないと、プイッと横向いてしばらく話さないことがSさんの知ってる解決策だったわけよね。
今までのことから、今日の相談内容だった“なんでも話し合える夫婦になる”には、どうしていけば良いと思われる?」

Sさん
「妻に評価されようとされまいと、自分の話したいことがあってこそだなと強く感じました。
そしてモラハラ的な態度は、自分の保身だったなと…」

まとめ:「話したいこと」があってこそ、なんでも話し合える関係になれる

夫婦で話し合うとき、いつの間にか会話の目的が相手を打ち負かすことになっていないでしょうか?

「自分の気持ちを分かってほしい」「相手に認めてほしい」という思いが強くなり、どんどん感情的になってしまう…

ありがちな夫婦喧嘩のパターンかもしれません。

そんなときは原点に立ち返って「愛するパートナーに話したいことが、自分の中にはあるかどうか?」を考えてみてください。

そうすることで自分の気持ちも整理でき、純粋に話したいことが伝えられるようになるでしょう。

今回Sさんもご自身の中にある「奥様に話したいこと」を改めて考え、もう一度話し合いの場を持つことに決められました。

この一歩こそが、今後の夫婦関係に大きな変化をもたらすことと思います。

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ABOUT US
夫婦カウンセラー緒方リサコ
47歳のときに22年間の結婚生活にピリオドを打ち、子連れ離婚する。熟年・調停離婚になったことから息子の心理状態に影響し、親子関係が悪化。これを機に、アドラー心理学(親子関係・家族関係)、発達心理学(主に児童・青年心理学)を学び実践をスタート、息子との関係を改善させる。その後、カウンセリングを始め、さらにパートナーシップについての独学を続ける。 離婚から5年後の52歳で、新しいパートナーとステップファミリーとなることでの日々の充実や成長を経験し、パートナーシップの大切さを自分自身でも強く実感する。長く幸せなパートナーシップを築くためのサポートができたらとピリアロハカウンセリングを設立。現在は東京代々木のカウンセリングルームを中心に活動。